エイバルでバルる

13時すぎ、エイバル着。避暑地としては、間違いなく洗練されている側。街道沿いにはおしゃれなブティックやスポーツ用品店、町はずれにはエルコルテイングレスという三越みたいなデパートもある。路肩でブエルタのための障壁や、残り距離を表示するゲートの準備をしている。
   
またレースに戻ってきたんだな。うれしい。さっきゴール地点になるアラーテ山への道路表示もあった。まあ、どうアプローチするかはこれから考えよう。
バス終点に期待した荷物預かり所がない。困ったなとバス停の地図見てたら「なんかおしえよっか」と煙草片手ににこにこしながら、さっきのバスの運ちゃんが近づいてくる。
「空港行きのバスはこっから出るの?」「うん、そのへん。・・・次は?」「アラーテへはどう行けばいい?」「バスだね。そっから出る緑のやつ。・・・次は?」「荷物預けるとこないかなー?コインロッカーとか?」「ないね、この町にそんなもんはない。・・・次は?」「・・・」「ないの?ほかに質問ないの?」ああ、ひまなんだ、このひと。味、あるよね、いちいちスペインの親爺は。
だめもとで停留所目の前のホテルに飛び込んで、荷物預かりできないか交渉。そういうサービスはやってないのよーとか言いながらも、夜10時のバスまで荷物持ってうろうろできないなーって伝えたら、しかたないわねーと預かってくれた。町の地図も貰った。身軽になって、いざ町へ。

中心の広場にはブエルタの巨大モニターと、キャラバンの出店。催しもののための舞台もある。舞台では毎日こどもむけのミュージカルが催される。キャラバンはこうしてひと月弱のレースのあいだ、レースとともに移動を続ける。
昼食時ながら、まだ車酔いのダメージ抜けず、広場に面したバルでひとやすみ。

だめだめと思うがやはり小ビール。ニ、三、ピンチョス(一皿1.65ユーロ)頼んでみたが、おいしい。こはだの酢漬け、アンチョビとうずらの卵の串、エビ串。それぞれが薄いパン切れに載っている。なにかに似ていると思ったらパッと見もフンイキもくるくる寿司。広場のほうに目をやると長蛇の列、バスを待っているらしい。やってきたバスの行き先表示は「アラーテ」走ってって情報収集。ふもとからゴール地点までの特別バスが出ているという。一般車両の規制はもうはじまっているから、上へ行くならこれしかない。あと二本で終わりだという。

バル戻って、勘定とトイレ済ませ、列に並ぶ。テイクアウトでボカディージョ一個。ビールが効いて、バス来るまでに二回もトイレ行ってしまう。