パンプロ―ナ最後の晩餐

今夜はほんとはホテルの星つきレストラン行きたかったんだけど、日曜休みとは気付かんかった。気付いたとき(昨日の夜)は手遅れだった。
そのへんのバルへと思うが、バルやレストランでさえ日曜休みのとこ多い。エスタフェタ通りだけは、いつもの通りのにぎわいだったけど、どこ入っていいかわからない。サラサーテ広場の裏通りへ。テレビやってるとこがいいと、ふいっと目に入ったバルへ。

アルトマンの映画に出てきそうな、ちょっときょどっした口ひげマスターが迎えてくれる。なんかコメディアンぽい、この親爺。料理できそうにもないから、軽くピンチョスつまんで次行こうと思うが、来た皿が意外と美味しかった。ところがすでに腹いっぱいになってしまった。
テレビはオリンピック回顧番組。なんでか男子サッカー日韓の三位決定戦をやっている。ブエルタないの?ブエルタ番組?と聞いたら、特別なステージでもないかぎり、あんまやんないよね、とつっけんどんに言って去ってったわりに、リモコンいじっては番組探しているふう。軽く聞いただけなのに、なんか非常に申しわけない気持ち。出るに出られない。もうなんでもいい2分のスポットでもいいからなんか番組始まれーと思ってると、スポットニュースでちらっと流れた。
ヒゲおやじ、「ほらっ!ほらっ!!」とこっちに合図くれる。この顔がおかしくて吹きだしそうになってしまった。
カスティージョ広場、今朝までここはお祭りの中心だったのに、すでに撤去がはじまっている。真ん中のステージあとに上ってみる。なんともわびしい風景。
「写真取ろうか?」
ふりむくとビール瓶片手にした若者がひとり。二十代前半かな?
きけばオーストラリア人だという。ブエルタ観戦客かと思いきや、巡礼者だという。これから数週間歩く。サンジャン・ピエ・ド・ポールから歩いてきて今日で四日目。まだまだ先は長い。我々はもうすぐ帰国です。ふうむとさびしい気分。
 
 
良い旅を。良い旅を。
さすがにこれでホテル帰るのはさびしいかなと、広場に面したカフェに入る。
この夜は、日が暮れてからも38度くらいあった。カフェの天井には細い管がとおしてあって、ときどき各所からしゅわーっと冷たい水蒸気が出る。ビニールハウスの水やりみたいな感じだ。もうそこにいるだけで湿、しめ。
コーヒー飲んだらやることもない。もう諦めてホテルに帰ります。