ブロッケス受難曲

yokkobukko2009-10-20

うちの合唱団の発表会でソロを歌ってくれたかたがたがが主催するロゴス・アポカルプスィスのコンサートにいってきました。演目はブロッケス受難曲。聴いたことなかった。のも当然で本邦初なんだそうです。作曲はシュテルツェル。バッハと同時代の作曲家で、当時はぶいぶいいわせてたみたいですが、すっかり忘れられ、近年再発見されたひとのようです。ブロッケスは詩人で、当時のプロテスタントために、ドイツ語の受難曲の詞というか台本を書いたひとです。
おもしろかった。曲も詞も。とりわけ詞が。韻文なんですよ、ぜんぶ。アリアはわかるけど、レシタティーボもですよ。それも共観福音書網羅して、読み込んで、解釈して再構成している。登場人物も具体的人物とかモブとかだけでなく、信じる魂とか、シオンの娘(たち)とか、魂の声も複数でてくる。雅歌がでてくるのがユニークだと思う。バッハのヨハネに比べると、曲も詞も妖艶、艶やか、あだっぽい。文学色が強い。リズムもより典雅で、舞踏会とかできちゃいそうです。バッハがブロッケスの詞を参考にしたというのはよくわかる。ボフィンのくだりからゴルゴダへの流れ、あいだで挿入されるいばらの冠と桜草、背中の傷とノアの虹の連想は、ブロッケスから来たんだな。四部構成で、最後にむかってあたりまえだけど、どんどんもりあがって、おおげさになってくんだけど、最後のコラールはあっさり美しい。
私はあなたの体に付いた手足/そのことが私を心から慰めます/あなたから離れずに留まり続けます/死の苦しみと痛みの中にあっても/私が死ぬ時には/あなたのために死にましょう/あなたが私に永遠の命を/その死をもって たまわったゆえに
かなりつっこんだ発言だと思うんですよね・・・
Bは仕事の飲みがあったんで、ひとりで三鷹まで車でいった。ひとりでドライブ。なかなか楽しかった。