大奥

語学帰りに買う。最新刊。よしながふみ、あとから効いてくるね、味が、こうしぶい味が。赤穂浪士討ち入りの話、おもしろかったな。昔読んだ、杉浦日向子が書いたものもおもしろかった。事件を、詳細記録(吉良家における死亡者リストなど)から、客観的に眺めると、こういうことなのかもしれない、つまりまごうことなき大量殺人事件ではないかと、あのときは、あっ、と思ったものだけど、杉浦さんはあえてまで自分の意見は語っていない。よしながふみのは、もうひとつバイアスが掛かっている。それは男性の犯す・・・いやもっと怖いな・・・男性に内在するファタルエラーなのだった。存在自体が社会のバグだろうと・・・決断と、踏み込んでいくのが、よしなが節。あえてフェミニスト宣言してたしな、対談集で。
このまんがの、いかにもマッチョな権力構造に女性を投げ込んで、女性の真の解放を模索するという、ものすごいパラドクシカルな試みが、なんつか、フェミニスト運動の無理を、おそろしく効果的に浮き彫りにしてるんだけど、このさきは、どこへいくんだろうかね。このままいくと江戸の終わりはなにを意味することになるんだろね。