曇天のち雨

yokkobukko2009-06-28

1Q84」二巻に入る。前に村上春樹は狙った的までの距離が短いと書いたが、それは小さなスパンで見ても大きなスパンで見てもそうなのだが、それが感服する点であると同時に嫌いな点でもあるんだな(別に裸の大将じゃないよ)。また暗示的なせりふや小道具も目に見えるかたちではなくともきちんと役割を全うする、いや、全うするだろう佇まいを持っていて、しかもやけに気の利いた佇まいでもあり、それがなんか、もう、ときどき鬱陶しい。
だらしないものが懐かしい。ぜったいに的にたどり着かない、着かないどころか、ついその辺ってとこにも着かない。物語は相当に冒頭のあたりで頓挫する、というか、分解してく、というか、減速度的に、細かくなってく。大丈夫このくらいなら行けるだろ、と見当つけたところにさえ行けない。それはディックです。ふたりとも保留の作家だと思うんだけど、保留のしかたが真逆なのか。村上春樹はでかい保留箱をどかっと置いて、そこへもうどんどん整理つかんものを投げ込んでいくから、あとはえらく整然とする。
久しぶりにコーラスの練習に参加できた。練習終わって外出るとどしゃぶりの雨。カフェによって焼き菓子とコーヒー。窓際でしばらく雨足を見守ってたけど、弱まる様子もないし、あきらめて傘買って、いつものコーヒー豆屋さんにむかう。夜は府中に新しくできたタイ料理屋さん。なんかこの一週間外食多かった!