護法童子

yokkobukko2009-04-09

中世に「信貴山縁起絵巻」というのがあるそうで、これはそれを花輪和一が80年代に翻案したマンガの復刊です。グロテスクなんだけど、ひぃーと退きながらも、ずっこけて笑う。むちゃくちゃな鬼畜にも、妙な温もりがあり、生き物の世界ののびたりちぢんだり、きれいになったり汚なくなったり、柔軟な営みから疎外されていない。たしかにグロテスクなんだが、これこそ自然という感もある。あくまでも主観的なとこもいい。あとがき読むと、作者はけっしてこの出来に満足してはいないようだけど、投げっぱなしなおかげで、宗教臭さからも解放されてるんだと思う。