マンガを読む

yokkobukko2009-02-24

銭ゲバ」読む。上巻途中までのロマンチックな前半と、秋遊ノ介という作家が登場してからの後半では物語のトーン、スケールがまるでちがう。秋という作家の視点が入ってからの後半は、粗筋に支配されがちだった前半とうってかわって、格段にのびのびする。たぶんあそこからが本編なんだ。そして、なんという話でしょうかね。エゴイストの独善的で八方塞な世界の論理についての秋の解説がおもしろい。世界の平和と人間の幸せを本気で望むエゴイストの論理の解説。このひとは蒲郡風太郎を疎外しない。己のうちにもいる風太郎をけっして排除しない。修正しない。彼の半身は完全に風太郎に同化している。しかしもう半身は、作家としてけっして手放さない。この作家のやってるこのしんどいことを、読むものもまたやらされる。それがこのマンガだ。ドラマはどういう解釈でくるのか。たのしみだわ。