バッド・エデュケーション

ガエル・ガルシア・ベルナル、もお、もお、ものすごくきれいな人間ですね!!!例によって途中からながら、くぎづけ、もうチャンネル変えられなかった。アラン・ドロンかと思った。初見は女装で、ん?と気になり、よく見て、あれ、美形かな、いやいや、見れば見るほど、ものすごい美形じゃないか、と、のめりこんでいく。マノロ神父はさすが、ひとめで気がつく。
物語は、もうアルモドバル。久々だけど、やはりひどくひきつけられる。隠された殺人、犯罪、男臭い骨太なノワールのつくりが、意外なくらいアルモドバルにあってる。このノワールの空気のせいで、ガエル・ガルシアアラン・ドロンに見えたんだな。メタ構造って、ほんと、よくあるんだけど、この映画に関していえば、入れ子というより、重層であり、ちょうど色のついたセロファンを無造作に重ねたようなもので、相互に働きあいもするけど、はみ出した部分もまたそれぞれの味を残している。だからフィニッシュを自慢するような、どうだ、すごくよくできでるだろ、みたいな映画ではなく、それぞれ胸の痛む層の嵩張りであって、そこに秘された、くしゃくしゃに折り込まれた感情がありのままであるので、ひどく感動的なのだった。
不思議なほどノワールの味。異本ジョゼ・ジョバンニとでもいいたい・・・ようするにわたしにはジョゼ・ジョバンニの映画がこんなふうに見えている。