エンブリヲ

 
ありゃ、これは侵略ものにありがちな、どかどか人が死んで文明が崩壊していくアポカリプティックな展開になるのかなと身構えていたら、二巻なかごろから、緩やかにハンドルがきられた。パニックのスケールが収縮していくことで(結局、件の沼まで収縮しきる)、物語は広がった。登場人物ひとりひとりがクローズアップされていって、なかなかおもしろい逆流のしかただったな。虫、好きなのかな。このひと。