新潟魚沼へ

連休利用して、新潟に行ってきた。お米どころ魚沼の栃尾又温泉。上越新幹線の越後湯沢のひとつさき、そこから電車とバスで三十分くらいの山奥。雪深かった。
非常に乗り換えがうまくいった。家を出たのは十時過ぎてたのに、二時には宿に到着。
出がけにお姑さんに向こうは雪降ってるのかしら、と聞かれるまで深く考えなかった。行ってみたら豪雪地帯だった。東京から二時間でもうこんななんだと西の人間ははじめて知る。西に二時間移動してもさほど気候は変わらない。
静かな温泉宿。スタッフさんは忍びか、チェックインのときに見かけただけで、姿なし。
部屋も温泉もこちらが黙っているかぎり、どこまでも静かだ。川べりまで階段降りたとこにある古い浴室、まだ誰もいないのかな、と戸を開けたら、いる、十人くらいすでに入っている、だれもしゃべらない。なんでだろう。湯の湧き出す口から落ちる水音のみ。
温度は三七、八度のぬるい湯。頭を縁の石にのせて、体全体沈めて、眠る感じなんだけど、心臓に圧迫感ある。ちょっと不思議な重力。
一時間くらいゆっくり入ってようやく体があったまってくる感じ。部屋に戻ってこたつで持参した「世界人名物語」を読む。部屋もまた静か。窓の外、静かに降る雪を眺めながら、すこし眠ったり。いいとこだな。夕食前にまた一時間かけて入浴。
二日目は朝からごんごん雪が降っていた。帰れるのか、というくらい。
朝一で風呂入り、十一時の限界まで部屋でのんびり。十二時のバスに乗ろうと思ったら、無料送迎バスがちょうど来ているから、乗っていけばといわれ、あわただしくチェックアウト、バスへ駆け込む。このバス、不思議なバスでした。よく見たら、窓のところに「周遊バス」とあって、道の駅と、西福寺につれてってくれた。二十分ずつ見学時間とかある。そういうバスだとか、まったく聞かずに乗ったので、いちいちどこに連れてこられたかわからず驚くのだが、それなりに楽しかった。宿のひとも説明する暇なかったんだね。寺は建築自体もおもしろくて、ふつう知らなきゃこれない観光地だ。誰がなんのために無料バスを運行しているかといえば、宿とか、地域の観光スポットとか、おみやげやさんがせっかく来たなら寄り道してほしいな、というつもりでやっているのだろう。
それにしても前日はいいお天気で気がつかなかったが、道に除雪してある雪がもう三メートルくらいになってて、信号機が埋まってて、いままさにどんどん見えなくなってて、それにいちばん驚いた。音が飲み込まれていくんだよ。マノスクか。気晴らしのない王様を思い出した。
新幹線、指定席なく、自由席で立つ。越後湯沢でなんとか坐れて、そのまま眠りに。起きたら雪国じゃなくなってた!