サングエサの午後


荒野を半時間ほど走り、橋を渡ってサングエサ(発音はサンゲサのがちかいかも)の町に入る。入ったらすぐに目的の教会がある。サンタマリア・ラ・レアル教会。ファサードの彫刻が目当てです。ぱっとみて色がちがうから、タンパンを含む正面扉まわりと、上層、外側の彫刻がべつの職人によることはすぐにわかる。上層のひとびとは腫れぼったいまぶたが特徴。サンフアン・デ・ラ・ペーニャで見たぞ、この顔は。タンパン囲んで黙示録の四つの生き物。福音書家を表してもいる。モチーフはわりと定番。しかしながらここの異形のものたちはかなり三次元。いまにも壁からぽこっと外れそう。
  
タンパンまわりはちょっと細身なひとびと。最後の審判が描かれている。人像円柱には左に三人のマリア、右はちょっとわかんないけど、ペテロとパウロかな。あと首吊ったユダ。扉は閉まっている。柱まわりにはほんと、くどいまでにいろんなモチーフが描かれていて、ちょっと気が散る感じ。キリストの人生以外は、ほとんど旧約からの主題。味わいあるわー。
先客がいて、お兄ちゃんは立派なカメラで通り挟んだ向こうから、近距離からばっしんばっしん写真撮りまくっている。負けられん。それにしても暑い。ここにはまったく日陰がない。ここは街道沿い、町のメインストリートのはずだけど、遠くかなたにパラソルとテーブルが見える以外、商店が開いている気配はない。日曜日だしね。気がつくと立派なカメラのお兄ちゃんいない。そして通りにはひとっこひとりいない・・・