そして本番

この本番、このエスタフェタ通りの熱狂をなんと表現したらよいのだろう。最初ホテルのテラス(特等席)で観戦しようかと思っていたわたしはアホ。あんなん特等席ちがう。エスタフェタ通りは狭いバル通りだ。両側からバルコンの飛び出した建物が通りに覆いかぶさるような狭さがある。そして手前から奥までずらっとバルが軒を並べる。そのバルと、コースを隔てる障壁のあいだがせいぜいが1メートル、その幅にびっしりと熱狂した人、人、人、それがいっせいに障壁を叩くあの迫力。人々の上げる声がごおっと地鳴りのように足元を揺るがせながら空に昇ってく。通り全体が共鳴胴のような。あの熱狂はなんだろう、もうずうっと熱狂の夢の中にいるみたいだった。とりわけエウスカルテルが通りすぎたときのあの轟音。選手はどんなふうに感じたろう。


それほどまでではなかったけど、モビスターのときもすごかった。
牛追いの祭り、見たことないけど、なんかそれを垣間見た気がする。
この日の優勝はモビスター。信じられないような大躍進だったが、サンフェルミンのお導きと翌日の新聞には書いてあった。さもありなん。
この夜、街の熱狂は朝まで続いた。前日までもすごかったが、この日がいちばんすごかった。そしてミラクルが。

合成写真じゃありません。
夜ごはんはまたしても中華。ほんとにやる気がないふたり。
フォーがおいしかったです。