エウナテからプエンテ・ラ・レイナ


聖墳墓式というのは、放射状の建造物で六角形とか八角形とか屋根を持つ。キリスト教以前のローマのロトンドなんかと似ている。ここはその教会の本体のまわりにくるっとまさに回廊が取り囲んでいて、しかも屋根がない。かなりおもしろいつくり。巡礼路はひとつじゃないし、直線的でもないので、やはり多くのひとが、ここを通る。朝モンレアルを発ってプエンテラレイナまで歩くというのが、わたしの持ってる巡礼ガイドのお薦めプランだ。


じっくり柱頭の彫刻を見て、内部へ。円形天井の梁が均等でないのがおもしろい。内部の柱頭彫刻も。
 

外はピーカン。今日も40度超えそう。だけど、内部はほんとに暗くて涼しい。まんまるで落ちつく。
回廊の柱頭の下で複数組のお遍路さんがおしゃべりしている。情報交換かな。言語はフランス語。この先の道をおしえてもらう。なかに巡礼のプロみたいな顎髭のおじさんがいて、見た目まんまヒッピーだが、今回はもう千キロ以上歩いているという。何回も巡礼をやってるそうで、お参りの仕方とかにも詳しい。日本語も知っていて「あたま、心、脚」これが巡礼に大切です。みたいなことを延々話してくれる。よく見たらさほどのおじさんでもない。まあお兄さんでいいだろう。隣のきれいなお姉さんと連れかと思ったが、途中で知り合って行動を共にしているらしい。彼女は500キロくらいもう歩いたとか。なんとなく親密なふたりであった。ふたりとも裸足。


彼らによれば、お参りする前に三回、裸足で回廊を回るんだそうだ、なぬ!もう入っちゃったよ。あとづけになったけど、Bとふたり裸足で三周巡る。小石が敷きつめられた廊下は太陽でぬくぬくで、なかなか気持ちいい。血行がよくなる感じ。
ここでお弁当食べ、隣の詰め所でトイレ借り、水汲み場で冷たい水をペットボトルに貰う。よく見たら詰め所の前に看板が立っていて、この先の簡単な地図と見どころが紹介されていた。見れば畑のあいだを白い砂利道が続いている。道すじには要所ようしょに青地にホタテマークの道標が立っている。プエンテラレイナまでは5キロ弱、1時間半くらいを目標に歩こう。歩きだしたのがちょうど昼の12時くらい。

それにしても暑い。やっぱ40度ありそう。左右のトウモロコシ畑のスプリンクラーがときどき巡礼の道にも水を降らせてくれる。わざとのような気がする。大きな道路渡って途中オバノスという小さな村に入る。教会ふたつ。地元のこどもが不可思議なおもちゃで遊んでいました。牛さん車。

闘牛ごっこするのかな。途中何組ものお遍路さんに追いつき、追い越す。なにしろ彼らは朝から数十キロ歩いている。そして大荷物。こっちの脚はフレッシュですから。年齢層はばらばら、意外と高校生が多い。