郵便局できれる



ホテルにチェックイン。さっき預けた荷物を取り戻すのにああでもないこおでもないと大騒ぎになり、いきなり受付嬢と気まずい関係になってしまう。午前にいた娘はものわかりのいいひとだったのに。
部屋で一休みして、サンセバで書いた葉書を出したいのでサラサーテ通りにある郵便局へ。Bはかなりつかれていて、しかもこの日も気温は40度近く、ふらふらしている。葉書を八枚かざして、切手を買いたいと言うと、受付のおばちゃんはスタンプ(消印のついたあれなんていうのか)のほうがいいと言う。このスペイン語がほとんど理解できず、わからん、わからん言ってたら、らちあかんと思われたらしく、勝手にスタンプ押されてしまった!
額は同じなんだけど、納得いかない、わたしは切手がいいのです。だって切手のほうが綺麗でしょ、と窓口で変更を訴えるも、誰もきいてくれない。いや、一番若い男の子はなにか非常に同情のまなざしだった。なんでそんなことで泣きそう?という感じ。しつこいと思ったのか、隣の窓口の親爺などは「ここに切手はない、うちは切手売ってない」とか言う。なんでそんなウソをつくのだろう・・・このあたりでBの具合がすごく悪くなってホテルへ帰る。しかしわたしはどうしても腹の虫が治まらないのだった。なんでかわからない。ホルモンのバランスだろう。なにか理不尽な怒りに支配されてしまう。「また手紙を書けばいい、そして切手を貼ればいい」とB。そうか!Bを置いて、もう一度、郵便局へ。自分の語学力と大人らしさのようなものの妥協点として、切手を買いにいった。そして記念切手のかわいいのをちょびっとずついろいろ買った。買ってみてわかったが、レジシステムがものすごく面倒くさいのだ。こんなしてバラバラに買われると尚のこと。モニターから該当商品を探して個数を入れるみたいなやつ。でもやっぱり切手のほうが百倍美しいのになあ。とりあえず、なんか不機嫌の壁を突破したみたい。
帰りにでっかいアイスクリームをふたつ、ひとつは宿で待つBに。あまくてすっぱいフランボワーズはしたなくぱくつきながら、ホテルのレセプションの娘の前もスルー。越えたかもしれない、手に負えない不機嫌な時間を。