ヘルッピはどこ


空港でもらった日本語版ヘルシンキガイドがよくできている。これがあれば市販のガイドブックはいらないだろう。まずは頭に町の名をいただく大聖堂へ。歴史は浅いが、白壁にペパーミントグリーンの屋根が美しい。そしてここにも見事なオルガンがある。あとで先生歌おうと言うかもしれない。もともと斜面に建っているうえ、建物自体のスケールが大きい。ファサードの階段がどどんと広くて、下の広場に並んだ観光バスやらトラムやらが小さく見える。なんか行ったことないけどロシアっぽいんじゃないかな。通りの向こうに海が見える。それにしても寒い。まさかのために持ってきたコートをほんとに着ることになろうとは。
港へアプローチ。11時発の遊覧船に乗る。


ヘルシンキの港まわりをぐるりとめぐる一時間半。こういうのもフィヨルドだろうか、リアス式だろうか、停泊している巨大客船を高く見上げながら進むと、湾内にすでに小さな島が点在している。近づくと一枚岩みたいのに載っているように見える。
 

サウナのある島、ヨットがたくさん停泊する島、造船所、スオメンリンナ要塞のある島、動物園のある島、船乗りがたくさん住んだ島、ほんといろいろ。ちょっと松島みたいな感じだろうか。しかしこの日は波荒く、外海には出ないで、内海だけ。同じ船に赤ちゃんを連れためちゃめちゃおしゃれした関西の若夫婦が乗っていた。あとはスペイン人観光客。今回はよくスペイン人に会うような。吹きっさらしのデッキは我慢大会で、ひとりまたひとりと船内へと戻っていく。我々もちょうど半分くらいのとこでギブアップ。負けました。
 
船下りたとこで関西夫に話しかけられる。友達になりましょう的なことかと思ったら「かもめ食堂どこか知ってますか?」だった、なんかがっかり。もちろん知らない。というかかもめ食堂ってフィンランドの、ヘルシンキの話だったのか、見てないし、ほんとにあったのか、とか、それおいしい店なんですか、と訊き返したかったが、余計なコミュニケーションは要らんという雰囲気だったので、あっさりお別れする。
街歩いてみてわかったがロシア製のおみやげを売りにするブティックがよくある。なんか下準備なしで外国来てしまった、歴史と地理がよくわからない。実際入ってみると、ロシア土産の店の売り子さんはほんとにロシア人なのだった。あまりに寒いので姪っ子に毛糸の帽子やセーターを買ってしまう。その土産屋でちらりと団員たちとすれちがう。2時に駅前のバス停で落ち合う約束に。E藤さんの「ブタ結構探したんですけどね、なかったですね」にまずショック、掃除の人に捨てられちゃったのか、いやたぶんスーツケースの中だろう。