大聖堂ふたたび


とにかく、まだ当初の目的のウタさんを見ていない。大聖堂に戻って、とりあえず先にウタさんのいる西内陣へ。ここには聖人のほかに、この大聖堂の寄進者(スポンサー)、神聖ローマ帝国辺境伯(マルグレーヴ)の像が10体立っている。ウタさんはそのひとり。エッケハルト伯のお妃。夫婦並んで立っているけど、ウタさんだけ突出して顔が売れている。
内陣仕切りのいくつかの受難図も同じテイスト。13世紀というと、いつも我々が見ているロマネスク彫刻よりはひとつ時代があとになる。建築の形にあわせたデフォルメが楽しい無名性の高いロマネスクから、より建築の束縛から独立した、「作品」ぽくなっていく、その過渡期かな。それはそれでおもしろい。聖堂の親方による味わいのちがいもより顕著に、というかよりアーティストに寄っていく。とはいえまだ親方という無名性の中にある。そこに焦点当てるのか、という、その点で今回の展示会はかなり興味深い。じっくり見てまわって、途中お庭に出て、雨上がりの濡れたベンチでコーヒー飲んで、また見て、ようやく満足して大聖堂出る。お土産屋で物欲炸裂しかけたが、ほどほどに。フランス語版のリーフレットを数冊とこの界隈のロマネスク建築本ドイツ語だけど写真と地図があるので十分楽しめる。

さっき駆け抜けた街をぶらぶら、奥の広場から混声コーラスとわいわい楽しい声、なんかソーセージのCMみたいな歌だなーと思ったらワイン祭りやっている。広場のまわりをぎっしり屋台が囲んでいる。ぜんぶワイン生産者。とりあえず歌聴いて、ロゼふたりで一杯。すこしだけ地元民の気分を味わって出発。元来た道を駅へと帰る。なかなかに満足しました。
ライプチヒでまた別の中華料理店。ここは中華という名のタイ料理屋だった。わたしはココナツミルク味のラーメン、Bは同じ味のチキンカツカレー。

明日はいよいよ日本に帰る。なんつーか、今回の旅はお腹いっぱいになったなー。ふたりして旅終わる前から充実感、だいたい最終日はまだ帰りたくないよーとかなるのにね。