ニコライで飛翔

本番、夕方5時、教会にはそこそこにひとが入っている。演奏開始から調子いい。29番、さすがプロ、ちょっと苦しみながらもオルガン弾けている。54番もきれいに飛んだ。62番の最後のフリギア調もきれいに響いた。と思ったらもう終わり、あまりに名残惜しくて感きわまって声ふるえる。アンコールしてくれたらまた歌えるのになー。旅もクライマックスきちゃったなーとさびしくなる。ヨハネ40番、ソプラノきれいに降ったと思う。終わって下から拍手、うん、今日はほんとにうまくいった。
下降りると、聴いていたひとたちが拍手してくれる。感想を伝えてくれるひとも。わたしはミュンヘンのおばちゃんとお話しした。「クリスマスソング(たぶんヨハネの40番)がよかった」「フクシマのあと、毎日お祈りしています」と言われて、なにかじんとしてしまう。じんとしていいんだよね、たぶん。
うちあげはアウアーバッハスケラー。観光客はみんな行く。みんなファウストメフィストフェレスと写真を撮る。

その手の店にしてはさほど手垢にまみれてなく、どこまでもシックだし、食べ物もおいしい。もちろんビールで。クリスタルヴァイスで。Bはシュヴァルツ(黒)がお気に入りで、飲めないくせによくそれを飲んでいる。テーブルはA木夫妻とAB澤さん、熟年の方々だが、みな話がおもしろい。特にマダムA木は決して適当なことを言わない。ずばっと本当のことを言ってくれるのでストレスが溜まらない。溜まっていたやつは発散される。合唱における不協和音のストレスがここでどんどんビールの泡になった。ごくごく飲みほしてやりました。うまかった。
飲み足りず帰りに駅前のカフェでもう一杯、今度はピルス。明日は早いので今日はこのへんで!