ジロ第四ステージ

ウェーラントを追悼するパレードラン。ポイントなしのニュートラルステージ。
ほかのスポーツなら、レース中に死亡事故が起こったら即刻大会は中止だろう。日本だったらまちがいなく中止だ。
サイクルロードレースならではなんだけど、レースはこのさきも続く。今日ステージ中継見るまでは、なんかもう自転車見るのもつらく、おそろしく、このさき十数日、レース続けなきゃいけない選手たちに憐れみを感じ、実際そうまでして自転車乗らなきゃいけないんだろうかと疑問に思うとこもあったけど、中継見るうちに完全に頭の中が変わった。今日の二百キロには非常な意味がある。沿道にはいつものようにたくさんの観衆が立っているんだけど、まるでいつもとちがった。彼らは静かに厳かにプロトンに拍手を送る。これは葬式なんだ。二百キロっていうのは物理的にいっても長距離だし、それは心理的にも長い道程で、その距離を通して彼らは仲間の死を認めて、彼を送りだす、心の整理をつけていく。まさしく、それは葬儀の行列で、道程の先へいけばいくほど、心の景色が変わっていく、ステップが進むという、うまくいえないけど、どれほどショックを受けていても、つらくて地面に這いつくばっていたくても、今日のこのステージだけは選手たちは走るべきだったんだと思う。ゴール地点で目を拭っていたファラーを見てほんとにそう思った。