ドストエフスキーとルター

……わたしはあなたの行いを知っている。あなたは、冷たくもなく熱くもない。むしろ冷たいか熱いか、どちらかであってほしい。熱くも冷たくもなく、なまぬるいので、わたしはあなたを口から吐き出そうとしている……
ヨハネの黙示録の一節(3.14〜)。昨日「悪霊」でこの一節を読み、奇しくも今日図書館で開いたルターについての本でふたたび出くわした。かなりぎくっとした。ずっしり重みを帯びてしまった。これまで図像からしかアプローチしたことなかった黙示録。見かたががらりと変わる。
悪霊はおそろしくおもしろい、圧倒的に。亀山訳で読み始めたので、最終巻になる三巻が出るまで、読了はおあずけだ。読んでると熱に浮かされる。熱病に感染する。チーホンのもとで、はすごい。とりわけスタブローギンの手記は。イワンでありアリョーシャであり、やっぱりドストエフスキーなんだなー。世界に見当たるもので、ここで見当たらないものがないという、完全な世界だと思う。そこには醜悪なものも、美しいものも、もれなく、もれなく……