エル・アナツイ展

アフリカ、ガーナのひと。ポスター見て絶対見ようと思ったけど、実物見るまでずっとテキスタイルのひとだと思っていた。素材はみんなアルコール飲料の瓶のアルミのキャップとか、あのワインの蓋まわりについてるぴーって剥がすやつとかだった。軽い薄い、あれはなにかな?アルミか。あれを叩いたり丸めたりしたものを銅線で繋いだり、編んだりした布のような状態のもの。織物かな。でかいものはでかい。美術館の天井から吊るしても床で余るくらいでかい。実際、御簾みたいなむこうが透けるものもあった。
おもしろかった。いろんな意味で。まずゴミで編んだものがああも神々しい召し物のようになるのが。司教さまのミトラとか、大僧正さんの袈裟とか、正倉院宝物堂の天井から垂らしてある平べったい装飾品みたい。
そしてなんといってもおもしろいのは、パーツそれ自体はけっこう堅いアルミのような素材なのに、それを編んで編んで、ある一定の大きさを超えると布のように皺になったり、ひらひら揺れたりする、なんだろ、ドレープがつくれるという点。
あと工房のシステムがおもしろかった。工房で働くのは近所の若者たちなんだけど、好きなときにやってきて、自分の好きなペースで働く。しかも任されるのはひとりひとつの作業で、ただひたすらそればっかつくる。たとえばキャップをぺちゃんこにするひと、丸めるひと、伸ばすひと、編むひと、とか。できあがったら、それぞれの棚にストックしていく。ちょっと想像すると問屋の倉庫みたいか。
アナツイさんは構想にあったパーツを組み合わせる。