大分-羽田

yokkobukko2010-05-04

朝風呂。やはりいいお湯。ほとんど無臭、かすかな塩味、透明。飛行機、午前早い便しかなかった。宿出発8時半というと、例外的に7時半に、帳場横のフリースペースで朝ごはんを出してくれるという。お寺の本堂の入り口という感じの、表と内の中間的なオープンスペースで実に感じのいい朝ごはんいただく。夜ごはんはいまひとつだったのに、不思議だ。たけのこの味噌汁、こんぶと山椒の実の炊いたんがおいしかった。これに塩ジャケ、目玉焼き。
8時半、先生が迎えにきてくれている。奥さんはお仕事。奥さんからのくれぐれもよろしくとの伝言とともに本二冊(奥さんの専門のマッサージ哲学の本)。空港まで先生と奥さんの二十年ちかくの歴史を聴く。ふたりとも再婚同士。しっかりすぎるほどに自分の人生をつくってきたあとに出あったふたりのこれまでというのは、かなり聴きごたえのある山、谷の積み重なりで、なんというか、いま、ぱっと見はかなりしっくりいっているようなカップルなのに。いつか捨てられるんじゃないか、と先生はぽつりとつぶやいていた。奥さんがあんなに寄り添っているのに、なんとなしにちぐはぐ。おたがいに痛いくらい相手を思っている、絶対的な距離を置いて、たがいに情の矛先をすこしずつずらして。いびつなんだけど、こういう形も現にあるんだ。たがいの夫婦のありかたを鏡のこちらと向こうのように見くらべて、感想を述べ合う。先生というひとは、昔からこども相手にも対等に怖いことをばんばん言ってくるひとだったから、自分が成長したからこういう話ができるようになったんだ、とかは絶対思わないけど、なんというか、こたえのない話をおたがいにあらぬ方向へ投げ合って、その行方に思うところを述べる、みたいな話し方はたがいに新鮮だったなあ。なんにせよ、わたしの行方知らずの話しに価値を見出してくれる稀少なひとだ。ありがたい。