やまなみハイウェイ

yokkobukko2010-05-03

本来なら二日酔い、それもディープな、のが待っているところが、奥さんのマッサージが激効きで、爽快とまではいかないが、わりと普通に目覚める。早朝、南に向かった窓から海に朝日がさすのを見る。遠くにタンカーが三隻?昨日より増えているような。雑木林では鶯が鳴いている、ほーほけきょけきょけきょっきょっきょきょきょーけーみたいな変な声、あとで先生におしえてもらったが、鶯のほかに外来種の鳥があたりに繁殖しているらしい。朝から温泉に入れてもらい、テラスで朝食。す、ば、らしいっすね。
今日は自転車を先生の車に積んで、やまなみハイウェイをめざす。サイクリストの憧れる別府から阿蘇山をまわって熊本の海へ抜ける道路。阿蘇山の外輪山をめぐるのがまあなんというかいちばんおいしいとこらしい。これを全部走ると三百キロ近くになる。阿蘇山まで行くと、明日の飛行機には乗れない。先生とも相談のうえ、その途中、いちばん風光明美なとこに自転車持ってって走って、あとは温泉有段者の先生の奥さんおすすめの秘湯でまったりということに。もちろん自転車で走るのは我々夫婦だけ、先生と奥さんは随行というか、チームカーみたいに、我々のコンディションみながらサポートしてくれるという。な、なんという、甘やかされようか!!!
はじめての輪行には理想的、というか贅沢すぎるシチュエーションなんです。が、やはりそんな世の中うまくいきませんね。気合いいれてサイクリングパンツはいて、タイツはいてたのもよくなかったみたい。やまなみハイウェイたどりつく前に車酔いしてしまいまして、途中下車、トイレへ駆け込み、芝生でダウン。マッサージのおかげで四次元へ行っていたはずの昨日の酒もいっきょに出て、ドクターストップ(Bによる)出まして、計画のほとんどを断念。秘湯も。とりあえず、悲願ということもあって、ちょびっとだけ自転車走らせてもらいました。たった12キロでしたが、山焼きのあとに芽吹いた牧草地で牛さんにも会えたし、総頭数100台を超える巨大暴走族ジパングの皆さんも見れたし。大観峰の路肩に先生が車停めて待っていてくれて撤収。えらかった、えらかったと宥められて終わるサイクリング。今回、自転車を畳むのだけははやくなりました。
先生の車でぐるりと外輪山を見て別府へ。今日は鉄輪温泉の旅館に宿泊。予約した旅館行ってみたら温泉寺の宿坊で、なかなか感じがよい。先生と奥さんにお礼。明日の朝もここまで迎えにきてくれて、空港まで送ってくれるという。なんでか、ものすごくあたたかく優しくしてもらっている。わたし、これまでの人生でひとにここまでしてあげたことあったろうか。いずれにせよ先生が昨夜の酒の席での話をひきずっているのはまちがいなかろう。憐憫というか、同情というか、愛情というか、このまなざしはなんでしょうね。もう、なんつーかめちゃくちゃ気にするひとなんだよ、デリカシーないといったのは語弊があったな。ずれてるんだ、ずれてる。そうだ、このひとは面倒くさい、濃密な、有機的なやりとりをするひとだった。誤解とか、瑣末なことは、即時その場で、ぱしっぱし落としていかないと、先生のほうが重くなっちゃうんだった。
宿のひとは商売気のないおばちゃんたちで、ホビットさん的。気は利かないひとびと。お湯はよかった。湧出温度90度以上の熱い湯。