萩尾がやってきた

yokkobukko2010-01-08

買い物いったら本屋に萩尾の新刊出てて、お、あれか、いつかのスフィンクスだな、もう出たんだ、と当然、買う。よく見ると「山へ行く」の続きなんだ。んで
やられた。また。
オイディプススフィンクス、それぞれだと、なんだか散漫なんだけど、このまとまりようはなんなんだろう、まとまってるんだよ、まとまってしまうんだよ。最近の萩尾はなんかまた一段すごいとこへ進んじゃったんだ。最後の「世界の終わりにたった一人で」。なんでこんな胸打つのか。たったひとりのひとのことなんだけど、たったひとりのなかにこんな海原があって、深海をかかえてて、どこまでもどこまれも潜っていくと、いつのまにか境界越えて、べつのひとに繋がっている。モハンさんの絨毯の文様の薀蓄に似ている。だいたい集団的無意識層へ至る。境界があいまいになるというのは、ぐるりのことにも出てきたけどな。深く深くに入っていく感じは萩尾ならではなんだなー。波になっておとずれる、余韻が。