落下速度がはんぱねー

朝から大粒の雨がやけくそみたいに降っている。降りつけている。月締め書類の提出日。一歩外へ出るとやけくその粒がみな自分めがけて落ちてくる。駐車場、しゅたっと車に乗り込むイメージをかためて、ドアを開け、まず傘がひっかかり、手元からすべってく書類の束をかろうじて車中へ投げ込むが、うまくシートにひっかからず、いちいちぬろおっとなりながら束が一部いちぶずり落ちてく。拾いあげようと前かがみになった拍子にドアと傘のあいだから、水滴がどぼぼぼっとおち、拾い上げたゆがんだ束の上に汚らしくにじみ、おわあっとしわを伸ばしサイドシートに投げ、その間も車中へは容赦なくどぼぼぼと雨が降り込み、片手で傘閉じながら、無理にドア引いて傘ぐにゃとなり、エンジンかけながら、うすらさみしくなった。先に書類サイドシートに置けばよかった。しかし、よく降る。