郊外へ

このところのサバービアンな気分が外在化したかのよう。
階下で読書中の義母の手元にふと目を遣ると、「郊外へ」なんてタイトルが見える。義母は最近にわかに堀江敏幸を好きになったのだった(講演会で生ホリエを体験したらしい)。わたしが愛するカーネーションの直枝さんも堀江文学が好きなんだよな。パリのY木さんも。なんだかわたしの周りには(注/直枝さんは周りにはいませんが)この人を愛好する者が多いなあ。ともあれ「郊外へ」、さっそく借りてきて読んでいる。楽しい本だ。うちの周辺なんてまさにバンリューじゃないか。堀江さんの本って好きなとこいろいろあるけど(なんか締まりの悪いとことか、食べ物がやけに旨そうとか)、なんといっても視点が新鮮なんだよな。途方に暮れて終わりじゃないというか、途方に暮れてなんぼよ!というような、終わりと見えたところにまだ物語の、なにか語るべきことの端緒があるというような。
なんか好き、くらい、の好きさだけど、嫌いじゃないな。