ヨハネ第二部

yokkobukko2008-07-13

二部に突入しました。二部のはじまりは美しいコラール。ソプラノとてもきれいな旋律です。が、アルト。臨時記号の応酬に、さっぱり意味がわからずえらく困惑してしまう。アルトだけ歌うと、何調かわからぬ変則世界。しかしながら、この不思議な旋律が、合唱になるとほんとになるほど!というような渋いハーモニーをつくるわけで、今日はまあそれをちょびっとだけ垣間見た、という感じ。
帰りは最近の定番コース、図書館に寄り、世界美術大全7巻をめでる。もう完全に私物化している。でもこの本の情報量は膨大で、このペースじゃ、一年かけても全部は読めないかもなあ。「写字生の祈り」(たしかこんな見出しだった)というコラムがおもしろかった。写本室(スクリプトリウム)でひたすらに写本制作に、というかひたすらにこまかな、根気のいる作業に携わった写字生たちが、本文のかたすみにひっそりと書き込んだ、読者へのメッセージがいくつか紹介されている。中世からのメッセージなのだ。やけに感動してしまった。信仰に根ざした真摯なメッセージもあるけど、半分ぼやきのようなものもある。かじかむ手で、朦朧としながら必死で制作した一葉ですから、どうか大事に読んでください、指で雑に字を辿る(こする)ようなことは、どうかどうか無闇にしないでください、みたいなことが書いてある。反射的に、これは印刷物だとわかっていながらも、本に置いた指を離す。肉声というか、虚構ではない、たしかに居た人の存在感が伝わってきて、なにか、じんと来ました。

写真/ヨハネや写本室とは対極にありそうな、がっつりした夕飯っすね