旅行ボケ、そして散漫な読書

yokkobukko2008-05-20

いまさらガイドブックを真剣に読んでいる。
だいたい行く前に見ても、知らない土地のことは、頭に入ってこないのだ。自分に関係ないうちは、薀蓄やら歴史やらに興味が湧かない(薀蓄ってなんか変だな、いい言葉が浮かばない)。想像力が欠けているのかもしれない。で、いまごろ興味が湧いている。地図を見ながら、歩かなかった道のことを考えている。ブレードランナーみたいに記憶をクローズアップしたり、視界180度回転なんかしながら、立体的ななにかを組み立てようとしている。われながらキモイ。

文學界」での車谷長吉の連載がおもしろい。読んで笑ったり、ぶふうっと息を吐いたりしている。四国巡礼の旅日記だ。奥さんやなんかについてのかわいらしい話はあとくされがなくて笑える。ぶふうっの心境は複雑だ。車谷のあとくされの塊が、こちらにこびりついてくる。
「自分が阿呆だということがわかった時にはじめて作家になれるのだ」という言葉がさわやかに響いてこないのは、ほんとにわかった人はこんなこと書かないだろうと思ってしまうからで、そう思ってしまったら最後、一語いちごがこちらにこびりついてくる。
先週から読んでいる須賀敦子全集もこの気持ちを爽やかにはしてくれない。結局、爽やかな気持ちになりたくないんだな。
クリュニー美術館で買ったジャック・ル=ゴフの中世の図像についての本をぱらぱら読む。楽しいなあ。