ヴェネツィア時代の彼女の名

yokkobukko2012-02-18

son nom de venise dans calcutta desert デュラスの映画やってました。授業と授業のあいだの空き時間に見た。2時間。インディア・ソングとまったく同じサントラが、それとはまったくちがう映像とともにながれる(らしい)。画面に登場するのはインディア・ソングにでてきた領事館(らしい)。廃屋になっている建物の内部だとか、庭園が延々二時間映し出される(らしい)。そこにインディア・ソングのサントラが載る。インディア・ソング見てないが、すでにそこでも画面とサントラがずれていたというから、もう理解がどうとかいう映画じゃないんだろう。前衛だ、芸術的だ、きっと寝る、と思ったが、意外とちょっとしか寝なかった。絵の助けのない物語をとらえようとすると、音にたよることになるんだけど、それはだいたいが不特定の人物たちの会話で、フランス語なので字幕を追うことになる。現代美術の映像なんかだとこういう実験的なことされると即座に眠りに落ちるんだけど。そういうのじゃなかったな。非常に抒情的だった。複数の話者たちがかつて仏領インド時代、カルカッタで起こった恋愛と、心中の話をしている。とてももの悲しい話(ラホールの副領事がもとになっているらしいから、読んでみればいいんだな)。話者たちは当事者の幽霊のようでもあるけど、もっとおおきな霊的なものが、そのひとたちのフリをしてみたりしている、ようにも思える。
怖くない、というか、観客である自分たちもまた幽霊、と思える。二時間、わたしは幽霊になってた、はっと終わり、現世に復帰、結局次の授業に三十分遅刻する。