ばたばたる

ここ数週間、なんか忙しかった。しつこい風邪を引いていた。レジュメまたひとつ読んで書いて送った。どうも読み込みが甘かった。中途半端になったと後悔している。
映画祭で映画二本見た。「ファンタスティックMr.FOX」「イリュージョニスト」両方ともアニメ。おもしろかった。Mr.FOXはロアルド・ダール原作。ストップモーションアニメという技法で、てててと動く。かなりのスピードで、話もてててとどんどん展開していく。
なんでもできるかっこいい父さんキツネの息子の屈託ぶりがいい。原作読んでないが、この子が「ぼく(語り部)」なんじゃないかなー。「ぼく」のっけから唾を吐く。いい。ものすごくいい。
オオカミでなくキツネが主役というのもいい。動物寓話というのは、登場人物(動物)に、たとえばこの話ならMr.FOXに、彼自身の個性に加えて、古来イソップのころから代々受け継がれてきたキツネとしての宿命というか、その種としての性質ものっけられるので、ものすごく濃くなる。濃いけど、てててと展開早いので、感情がもたついて淀む暇がなくていい。頭を使う。脳で見るかんじか。刺激的だった。「ダージリン急行」の監督だという。あっちも見てみたい。
イリュージョニスト」はまさにバンデシネ。しかもBDが気持ちよく動く。あの透明な色彩の街の立体感はたまらなく気持ちよかったな。タチの脚本だけど、タチっぽさより、絵の力のほうが強かった。街がこんなにくすんでいるのは、悲惨が水に溶ける絵の具のように溶けて街全体に広がっているからなんだ、と納得。絵には絵ならではの語る手段があるんだな。