ざっつ台風

長く生きていると逆に本能の感度が悪くなるというか鈍くなるのかもしれない。小学生なら今日は絶対来るだろう、嵐が、とわかるはずなんだけど。テレビもラジオもちゃんと警報だしてたのに。わたしもBも外出先で足止め。わりと昼さがりの早い時間(外国語なら午後の終わりごろ)に電車全部とまってしまった。
わたしは弟の家でベビーシッターの日だった。三歳児のAちゃんの怯えを見て、生きものとして正しい方向性思い出す。ベランダの植木がぶっ倒れてるけどもう外へは出れない感じ。新築ながら家も揺れている。一歳児のKちゃんはばりばりいまにも割れそうなガラスの横でぜんぜんおかまいなしに遊んでいるのも興味深かった。どーもがっしゃんがっしゃんうるさいと思ったら隣の空き家のガラス戸が次々に飛んできてポーチの前でこなごなに割れていた。危険すぎる。
弟帰ってきて嵐の中駐車スペースに散らばるガラスを整理。電車止まっているので家まで送ってもらう。途中なぎ倒された街路樹をいくつも見る。昔広島で経験した17号思い出すが、インパクトとしてはあっちのが大きかった。あのときは信号機も折れてたし、街じゅう停電してて、市電乗り捨てられてて、あちこちでサイレンの光が見えた。酔っぱらいがそこらじゅうの軒先でわいわい興奮していた。
家近づいてきて、なんか変、暗すぎる。なんでかうちのブロックのみ停電。蝋燭出動。コンロ、点火部分のみだけど電気式なんでつかず、カセットコンロで湯沸かしカップラーメンとビール。ビール、まだ冷えている。ラジオなんでか点かず、お風呂用充電式プレーヤーで音楽。ジェズアルドのテネブレ。
そのうちBも戻ってきて電気も復旧。その前に地震。なんか日本列島の具合が悪いのか、今年は、試練が多い。