移動中でも楽譜必須

yokkobukko2011-08-24

今日は一日移動日。バッハゆかりの町をめぐりながら、ライプチヒへ向かう。まずはアルンシュタット。朝コーヒー飲みすぎ、移動中にトイレ行きたくなる。もういかん、というとこで到着。ひとりバスから飛び降り、近所のカフェへ突撃。
しきりなおして町を歩く。バッハが最初に就職した町。静かな朝で、観光客はまだいない。現バッハ教会へ。スケールは大きいが、瓦屋根のぽてんとした外観。内部は前期ゴシックの様相。

ここのオルガンはまじで古い。ヴェンダーオルガン。許可得て、祭壇前でヨハネ40番を歌う。
ドルンハイムヘ。こここそは小さな村。個人旅行だとなかなか来れそうにない。集落のはずれ、ひとけのない畑の横からバルトロメウス教会の境内に。

ここはバッハが結婚式(最初の)を挙げたところ。ひとけない境内にお墓が並び、それぞれの墓前には植物が植えられて、ちいさなお花畑になっている。大きな杉の木の下にはベンチ。のどか。なんというか本当に田舎の寺院。建築は変わっている。ロマネスクといえなくもないけど、木造まじり。さっきのアルンシュタットもそうだったが、瓦ぶきの屋根、それもかなりどっしりと存在感のある屋根が特徴。教会守のひとに鍵を開けてもらって中へ。どっしり素朴な外観とまるでちがう。
       
かわらしい、白と金のロココ装飾。祭壇はバロック。バッハが結婚式挙げたころに祭壇をかざっていたゴシック調の木彫りの祭壇も左右に残っている。振り向くとオルガン。シューネフェルトオルガン。もとは18世紀、20世紀にちょっといじってあるらしい。バルコンにあげてもらって、近くでじっくり。ストップも昔風でかわいい。触っていいよというので、鍵盤押してみる。感激。ここでも一曲。K泉先生の伴奏弾きぶりで、ヨハネ40番。うーん、この曲はうまくいくと天井から音が降る。美しいし、このかわいらしい空間で、バッハと時をともにするような気分が贅沢すぎる。教会守のひとの話では、この教会は東ドイツ時代にはもうすっかり忘れられてて朽ちかけていたそうで、それを日本の横浜市のひとびと(たぶんバッハ愛好集団)が修繕費を集めて、こうもきれいに復活したんだそうで、それでとても親日であるのだった。ここで結婚式を挙げた横浜のひとの写真も見せてくれた。どんだけバッハマニアがいることか。日本すごいな。
昨日、あの権威ある教会で冷遇されはしたけれど、なんか一転、めちゃくちゃ温かい愛好家のネットワークに触れ、また音楽を好きになる。きびしいのがほんとか、温かいのがほんとか、正統はなんだとか、そういうのはわからないし、考えるのもおこがましいけど、こう心が通じたときに温かいのがわたしは好きだ。のどかな境内で休憩。みなほこほこと温かい気持ちでワイマールへ出発。