コーラス、コーヒー屋、古本屋

松島から来ました

いつもの日曜日だ。コーラス行ったら朝から1日練習だったと知りびっくり。練習後はいつものコースでコーヒー豆買ってから古本屋へ。めずらしく定価より高い本を買う。福永武彦の「異邦の薫り」。とんぼの本から出ている星新一本、こっちは安かった。夕飯は駅からすこし離れたとこにあるスペインバル。タパス一皿500円くらい。ばかすか頼んでいたら意外と普通のレストランくらい行った。
松島のホテルでシュペルヴィエルの「海に住む少女」読んでいた。こういう幻想ものはこちらの感度の悪いときはただただ流れていってしまうけど、このたびは沁みるように入ってきた。べつにこういう旅だから持っていったわけでなく、持参するならなるべく薄い短編集を、と思ったのと、こないだムットーニ展でこの作品を題材にした箱見たので、ずいぶん昔に読みかけで本棚に返されていたこの本を再び抜きだしてかばんに入れたわけだけど、結果的にはすごく因果な選択だった。
Nさんの翻訳がいい。すんなり読めるばかりがいい訳じゃない。このひとのは、飲み込めなくて、噛みしめるうちに作品への愛情がじんわーと沁みだしてくるようなそういう訳だ。そしてなよなよやさしいんじゃない、わあわあ叫ぶ孤独さともちがう、寡黙な実直さがある。
Nさんはムットーニ知っているかな、メール出してみようかな。でも結局、うまく感想いえそうにない。いま訳している本が出たら、手紙といっしょに送ってみようかな。