大みそか

yokkobukko2010-12-31

昨日で大掃除おわった。床もワックスかけたし、換気扇もきれいにした。一日あまった、けど、遠くへは行きたくない、ので、映画。ノルウェイの森。夢に出てきそうな、出てくるような画がたくさん。水面から鯉が背中を半分出してうごめく蓮池、植木と籐家具の置かれた、だだっぴろい開放的なベランダ、ざらっとしたタイル壁のある市民プール、あれは日本なんだろうか?ダグはダグっぽかった。それにしても映画の風景が印象に残る。きれいだった。なんもかんがえずに画面ばっかり、もいちど見たいな。
話はすっかり忘れていた。ああ、こんなだった、と思い出しつつ、内田善美の「空の色に似ている」に似ているとも思う。主人公、グレートギャツビーの語り部みたいだったんだな、とあらたに思った。でもほんとにほとんど忘れているのでびっくり、こんなシーンあったか、こんなひといたか、憶えていない。
ミスキャストと噂の菊地凛子は意外とぴったりだった。直子にはああいう骨太な感じもある。かかえたときずっしり重い、そういう存在感。
こないだの飲み会で誰かが村上春樹ウエルベックの女性像を(似ているように)重ねていて、そんときはそうかもと思ったけど、ぜんぜんちがうな、やっぱり。読んでいて、抵抗感がちがう。ウエルベックの女性はあり、というか、いやじゃない、できればそんなふうでありたいよ、寛容でいたいし、愛したいし、ああいうやさしい善なるものでありたいと思うが、村上春樹の女性は、わたしから見てもエキセントリックだし、巫女だし、あれが女性だとしたら、わたしは未分化だと思う。あんな直観とお告げで話を切り盛りされてはかなわん、とある種の抵抗を覚える。