とんかつ屋でお誕生会

義弟の四十の誕生日を祝う会。むこうの一家と、お姑さんとBと、家族みなでとんかつ屋へ。義弟は最近厄落としで実家に帰っていたらしい。彼の地元、三重県のそのあたりでは地区でまとまってそういう儀式をやるらしい。そのまま青春18切符で広島、呉まで行ってきたらしい。全部で十一だったか映画館を訪ねたらしい。広島の横川界隈で飲んだらしい。なんか懐かしい。広島へは笹岡啓子というひとの写真集「PARK CITY」に刺激されて行ったらしい。写真集見せてもらったが、どことわからないけど、それはまさしく広島という風景なのだった。通っていた大学の跡地、ファロロマーノみたいなだだっぴろい草っぱらの写真がなにか胸にせつなかった。森戸道路と呼ばれたメインストリートを飾った背の高いセコイアかなにかの並木が、左遠方に見える。前景にぶなかなにかの木立。文学部跡あたりから撮ったのではないかと思われる。木立に非常に見覚えがあるが、建物がないので、はっきりあそこだと同定はできない。
義弟というのはもともと無口なひとではないが、とにかく今回のさすらい旅でインプットが多かったらしく、多少知恵熱ぎみにしゃべりまくっていた。厄落としの式次第などおもしろかった。ぜんぶ儀式が終わった後、最近稼いだ金を全部つかいきらないといけないとかで、松坂で豪遊した話もおもしろかった。わたしもうっかり飲みすぎた。