江ノ島で凍る

yokkobukko2010-03-02

シフト交替してもらって一日確保。Mちゃんとどこ行こか、とか言いながら結局昼まで家でだらりだらり過ごす。昼休みでBがあがってくるのを待たずに弁当を残して出かける。出たはいいけど、どこ行こっか?まだ考え中。なんも決断しないまま、とりあえず江ノ島方面へ。新百合ヶ丘でちょうど片瀬江ノ島行きが来た。そのままさらあっと島へ渡り、さらあっと参道脇の民宿食堂入って、シラス丼とひらめの刺身をさらあっと注文。ひらめってにゅうっとしておいしいんだな、はじめて思った。さらあっとエスカー乗り上の参道へ。エスカーの壁に並ぶ明治のアイスクリームの広告写真がものすごくさぶい。底冷える京都の日本旅館で働いていたMちゃんの入れ知恵で、背中にカイロを貼ってみた、これいいですね。ものすごく。上の参道も人は少なかった。いままででいちばんひとの少ない江ノ島だったかも。南の参道のはしっこ、がけっぷちの食堂の海にせりだした角のテーブルでわたしはビールと焼き蛤、Mちゃんはかにの味噌汁。江ノ島にはじめてきたMちゃんは最初っから、駅降り立ったとこから、橋渡るとこから、もうずうっと感動しっぱなしで、Y子さん(わたしのこと)男だったら、もうぜったい落ちてます、あたし、もう今晩お泊まりでもいいです、とかえんえん言っている。しかしまじでここまでさらあ、さらあっと流れ流れてきて、なんの支障・・・いやな思いも、気分よどむほんの小さなアクシデントもなく、このどんくさい、なにごともぱきっと決められないモラトリアムふたりが、こんなにスマートな道行を実現していることが奇跡というか、やはりある意味感動するのです。
天候を除いては。かろうじて降りださないものの、いつ雨になってもおかしくない、やいてないフランスパンぎゅうぎゅうに並べたみたいな空。みっちりむっちり湿気てて、しかしそれと海との境界はやけにきれいで、やっぱ江ノ島来てよかった。曇天、荒天似あう。がけの下降りて、白波たてて迫ってくる波見る。ばしゃあっとかわしゃあっとかいきなりどしゃあっとか、そのくらいのオチが待っているかと思ったけど、ここでも、来るぞ来るぞなんか来るぞくらいの不穏な波がすこし手前でくだける、ほどよいスリルなのだった。
昔吉祥寺にあって、鎌倉に移動したという喫茶店を探して長谷で降り、ここできっと迷子になって冷たい寒い冬の日暮れにふたり途方に暮れるんだろう、気まずくなるんだろうとか、予想したけど、ふらあと寄った雑貨屋さんが丁寧に道順おしえてくれ、すんなり目的地へ。なんか、どうしたの今日はというスマートな一日。ただただ体の芯から冷えましたが。
Mちゃんはずいぶん年下で、しかも四人か五人いる兄弟姉妹の末っ子で、Y子さん、好き〜というキャラだから、うっかりすると先輩面してしまいたくなるんだけど、ひとは自分の人生にしか先輩になれない、どころか、たとえタイムマシンがあったとしても過去の自分はもう尊敬すべき他人、けっしてそのひとの先輩にはなれないと最近さとったんで、もういっつも人生のペーペーなわたしなんだよ、Mちゃん、と思うのに、つっこみどころ満載、つか、ちょっと宿題にさせてよ、という難題の持ち込み多く、おしゃべりに夢中になってしまった。帰宅したら十時過ぎてた!