犬猫

yokkobukko2009-04-24

例によってフリッパーして、ぶつかった映画。「人のセックスを笑うな」のひとの映画。榎本かなこが主演。音楽は鈴木惣一郎。エンディングが湯川潮音。恋愛絡みでいろいろあって気まずくなった幼馴染ふたりが、一緒に暮らす話。コンビニでバイトしてて、ほんの少し自堕落で、あほみたいに明るくなく、ともだちに恋人を横取りされ、なんとなくいいと思っている年下の男にもいまにもフラれそう・・・そういう女子を榎本かなこがまさにリアルに演じているので、びっくりだ。そのぐだぐたで鬱屈しててさびしい感じがいい。いいんだけど、苦手なタイプの映画だ。ここにでてくる女どうしの関係、いかにも、ふつうにみなに当てはまるでしょう、というような前提が、ゆるくゆるくだがわたしのコンプレックスを刺激するのだった。こんな友達いないし、友達とこんなような話、したことないよ。 わたしにまったく関係ないし、どこにもひっかかる枝がない。もし、ここに描かれた世界が普通なら、わたしがどっか異常なんだろう。
昔、マーガレット読んでて、こういう恐怖みたいな感覚、覚えたが。当時はもっと楽観というか、ひとはそれぞれだろう、それに恋愛とか、女どおしのいちゃいちゃしたものに関係ないとこに、世界の本質はあるんだろう、とか、考えていた。ところがいまは、自分以外の人に興味を持ったり、関わったりはわりとこの世界の営みの大部分かもしれん、本質とはいわんが、けっこう人間の内面にはおおいに関わることなんじゃないか、少なくとも健全なのはそっちだろう、と、思っているのだった。
ひとは友達となにを話しているのか、自分は欠陥人間なのか、もう映画終わるころには、まったくちがうことを考えて落ち込み、腹を立てているのだった。世界と波長が合ってない気がする。