神木君は神木キュンらしい

わたしのなかでは父親に赦される前々回で終わってたんだな。「風のガーデン」これは飲み込めないという感が最後まで消えなかった最終回。夢のように美しい我が娘に赦され、愛され、介護される。瑞々しく賢い若い娘を、最後の恋人に持ち、永遠の愛のしるしのごとき美しい歌を捧げられる。苦い過去は、ふるびたすりきれた恋人とともにいつのまにか退場している。友人がたくさんいて、故郷は美しくて、父親は正しいひと・・・まさに望めるかぎりの、ベストコンディションではないですか。これはエゴイストなんじゃないか、エゴイストの生きざまじゃないかと、がたぴしひっかかるのだった。このひとはいずれ赦されたし、そもそもいつだれに赦されてなかったというのだろう。赦さなかったのは自分で、赦したのも自分だろ。という。
伊藤蘭の演じる昔の恋人の苦々しい、ほんとうに苦々しい生きざまだけが、心に沁み、残った。これが生きるってことじゃないのか。このひとの末期をこそ知りたいよ、と本気で思った。