高原そして真田の里

yokkobukko2008-08-30

起きたら八時前だった。わたしにしては、めずらしく寝坊。おおいそぎで朝風呂。今日の空模様は、基本くもり、ときどき雨、というところか。ホテルチェックアウト後は、送迎バスでいったん上田駅へ戻る。今日のおおざっぱな予定は、城址公園を散歩し、そば食って、土産買って、帰る。コインロッカーに荷物預け、さあ観光へ出発しようとしたところ、小雨が降ってくる。用意周到な幼馴染Tは傘を取り出し、わたしはもともとの傘なし(よほどの雨でないかぎりわたしは傘を持たない。理由はすぐに失くしてしまうから)、幼馴染Nは、ロッカーに傘を入れてしまったらしい。一度締めたロッカーを開けて四百円を無駄にするくらいなら、コンビニであたしが傘買えばいいんだよ、と急ぎ実行に移すが、NはNで相合傘はかっこ悪いとか言ってコインロッカーを開ける。そうこうするうち、雨も小止みになり、ドケチなわたしは、そこで無駄に費やされた四百円と、微妙な空模様を天秤に掛け、コンビニに傘を返し、金を払い戻してもらうことにする。我ながら合理的な判断だと思ったが、明らかに非常識で誤った判断だ、と旅の終わりまで、幼馴染Tには責められた、いや顰蹙を買ったのほうが正確かな(まあ、それが正論なんでしょう。思ったとおり、あとで家人Bにも怒られた)。こどもの頃から、いっつもTには呆れられ、責められている(それもなかば諦めモードで)気がする。弁解していると、お母さんに言い訳しているような、ああ、どうせわかってはもらえないという気分になる。
上田城址を観光。三人でほどほどの広さの公園をぶらぶら散歩。晴れていたらまったく印象ちがうかもしれないな。
 お壕  城門
       
でも今日は草木も神社もお壕もそこに生した苔も大気から沁みだしてきたような雨を含んで、しっとりと存在している。傘を買わないお前が悪いってオーラをTが出すから、傘に入れてとも、うかつには言えず、ショールを頭に巻き、歩きまわっていると、だんだんわたしもそのへんの樹木と同じくらい湿っけてくる。
 

あちこちにしっとり佇む銅像に親近感覚える。
レインコートとかいいかもしれない。
散歩後、公園正面の観光協会に寄る。休憩所の横に、土産もの屋も併設されており、なにか真田グッズ(六文銭グッズ)も豊富だ。

昨日から六文銭見るたびいちいちテンションの上がるNも大喜びで土産ものを物色している。わたしもわたしで真田からみの起請文ばかりを集めた写真集見つけ、二千五百円なら安いかと、テンション上がる。手稿ってのに弱いのかもしれない。花押もすてき。だが、なんせ内容が「ぜったい裏切りません」ばっかりなんで、購入はやめる。
適当に土産も買い、ひとやすみ。それにしても、ちょっとトイレ行ってくると出かけたNの帰りが遅い。と思ったら、あわあわ戻ってきて、ケータイをトイレに落としたとかあわあわしている。なか開けてみるとびしょぬれ。確実に壊れている。わたしはケータイ持ってないのでその感覚をいまひとりリアルに捉えることはできないのだが、とにかく一大事らしい。とりいそぎデータ救出をしなくてはいけないらしい。調べてみると、上田の町外れの国道沿いに、取扱店が一件ある。じゃ、さっそくみんなでそこに行けばいいんじゃん、という簡単な話なのだが、みんなは来んなとか、先にソバ喰ってろとか、なんなら先に帰れとか、テンパっているNがヘンな気を遣うので、ついにTに叱られる。「けっきょく、どうしたいの?どうしてほしいの?」自分以外のひとが叱られているときのわたしは余裕だ(←小者)。一部始終がなんとなく可笑しいし、そもそもTのせっかちぶりにもそこはかと可笑しみがあり、だんだん愉快になってくる。
                 
結局、データは生きていて、その場で(多少時間はかかったが)新しいケータイも買えた、ようだ。奇しくもその近所に、宿でおしえてもらったうまいソバ屋があり、遅ればせながら無事、昼飯にもありつけ、結果オーライである。ただし、やぶへびでわたしがケータイを持たないことをTに責められたのだけは(その場でも大マジでキレたが)、いまだに納得がいかない。
それにしても、旨いが、あほみたいな量を出してくるソバ屋だった。なんせ容れものが桶だった。これで550円
 わたしは半分くらい残した。あとのふたりは完食。
結局、豪雨には一度も見舞われなかったな。あ、帰りの新幹線で大宮着いたときすごく降ってたか。でも最後まで傘を買うことはなかった(笑)。
後記としては、いろいろあって、Nのテンションは急上昇急降下と忙しかったろうが、その横でわたしはえらく楽しかったということを付け加えたい。Nとは大人になってからでさえ、かれこれ十数年、もう長い付き合いだけど、三年位前に家人の転勤でこっちやってきたTが合流してからのほうが、なお滑らかな関係になったように思う。三人組の妙なんだよな。