そしてマドリッド

  結局30分ならんだ

バスセンターは案の定、長蛇の列。やっぱ早めに来てよかった。が、こんな並んでても窓口ひとつしか開けないとこがヨーロッパなんだよな。なかにもうひとりスタッフいるのに、ぜったい余計な仕事はしない。そのうちにサンタンデール行のバスの出発時間が迫り、焦りだすひとびと。そこへ空気の読めない感じのアメリカ人女性が横からふいに現れて、「わたし、このバス乗る、時間ない、ここ入れてください」とわたしの前の若者に泣きつく。「だめだめ、急いでいるのはみんな同じ、うしろならびなよ」と一蹴。まるで行きのわたしだよ。それなら、ここ、どうぞ、と声かけようとした矢先、わたしのすぐうしろの女性が口を出す「みんな待ってんのよ、ちゃんとうしろに並びなさいよ!」そうだ、そうだ、うしろに並べ!とそのまたうしろのひとびとまでが次々口を出してくる。なんか騒然としてきた。みんなイライラしてんだ。なんか入れてあげにくいぞ、と弱気になった矢先、「いいじゃないのさ、いいよ、あたしがあんたのいっしょに買ってやるよ」と気風のいい姐さんが申し出る。気骨あるのか、天邪鬼なのか、かならずこういうひとがいるのもヨーロッパだ。とにかくこのへんから行列のフラストレーションはついに窓口に向かうのだった。そして窓口の対応も最悪だった「それじゃ、いまからサンタンデール行きを優先します」もうぐじゃぐじゃである。あたしのが前から待ってたのにおかしいじゃないのよ、と大騒ぎ。そもそもなんでもうひとつ窓口開けないんだ、そうよそうよとガラスをどんどん叩くひとも現れる。おお、いよいよ暴動か、って、ここ、ここで、はじめて、もうひとつの窓口が開くのである。なんか、つかれる。
   

直行マドリッド行きバスで2時間半。無事ホテルにもたどり着きほっとする。いよいよスペイン最後の夜である。そして最後の晩餐は、
やっぱり、中華なのでした。
 欧州旅行の隠れテーマ
それぞれの町の麻婆豆腐  ここのは酸っぱい。