先生のブログ

おばんざいふうになった

翻訳の師匠のH先生がブログをはじめたというので見に行ったら、いきなりものすごいテンションでびびった。たった三日で、あの密度はすごい。そっと覗いたつもりが、もろにあてられた。
そこに村上春樹エルサレム賞授賞式でのスピーチが紹介されてて、日本語訳(原文は英語)、読んだらおもしろかった。いまエルサレムで言うべきことがあると思っているひとは社会運動家とか政治家とかに意外といるかもしれないが、万一、機会がめぐってきても、ここまで活かしきることはできないんじゃないか。立場や、そこから生じる駆け引きが、メッセージの意味を薄めたり相殺したりするんじゃないか。村上さんのは使命感とかなのかなあ。おまえ小説家であれよ!小説家をまっとうしろよ!みたいな。
それにしても卵とか壁とか卵とか卵とか、めちゃくちゃ村上節だしな、結局、小説のことしか話してないしな。それでいてそれが社会的メッセージとしての価値を持っているんなら、このひとは嘘をついていなくって、小説がそういうものだってことなんだろう。結局、授賞式にきわめてふさわしい講演をしたんだな、このひとは。